25年前パリで花の勉強をしている時はフローリストと言えば、生花を扱う仕事をする人をそう呼んでいました。諸説ありますが、100年程前まではフローリストと言えば造花を制作する職人の事を指していたようです。時代と共に、華やかな造花が装飾された帽子やドレスの需要がなくなり、100軒以上あったパリの造花の工房も今では数軒と少なくなりました。そしていつのまにか町で花を売る人々が増え店を持つようになり、フローリストと言えば生花を扱う人の名称になったようです。私がパリでお世話になったフランスフローリストの大御所ジョルジュ・フランソワ氏は現役80歳。彼はパリで店を持った最初のフローリストです。多くのフローリストが彼の元で学び巣立っていきました。私もその一人。私の仕事は生花から造花へと扱う素材は変わりましたが、私にとってはどちらの職業もフローリスト。コロナ禍でパリに行く事がなかなか難しいですが、落ち着いたらフランソワ氏のもとへ制作したコサージュを持って会いに行くのを楽しみに、今は日々制作しています。