オートクチュールフラワーの制作工程で欠かせないのが染色という作業。
工程の中でも難しくも楽しい作業です。
色合いによっておおよその配合は決めてあるのですが、初めて使用する素材の染色には、職人の感のようなものに頼る事が多いような気がします。毎回試行錯誤を繰り返し、布の種類、厚さ等を考え、画家がパレットに絵の具をのせていくように染色液を作って布に染色していきます。
時折、草木染めの中でも花びら染めが好きなので挑戦しますが、なかなか私の中で納得のいくような結果を出せていません。やっぱり染色は難しいですね…


写真の花びらはローズ・ドラジェ色。ドラジェとは砂糖で固められたアーモンド菓子のこと。結婚式などの引き出物でご存知の方も多いでしょう。あの可愛らしい淡い色合いにちなんでつけられた色の名前です。薄いモスグリーンのようなゴード色からローズ・ドラジェ色へとグラデーションをつけてみました。この数百枚のシルクの花びらは、数輪のバラへと生まれ変わりヘッドドレスに仕上げます。
オートクチュールフラワーは布の糊入れから始まり、裁断、染色、コテ当て、最後に成形と工程が長いのですがそれもまた魅力のひとつです。